今更バリアフリー住宅について考えてみた

この記事では、重症心身障害児の親である私がリサーチしたバリアフリー住宅についてまとめています!

といいつつ、我が家はバリアフリーをほぼ意識しておらず、

さい
さい

バリアフリー住宅にしなくて本当に良かったのか?!

と確定契約を目前にして不安になっております(笑)

我が家がバリアフリーを意識しなかった理由なども合わせてまとめていきたいと思います。

バリアフリーとは?

そもそもバリアフリーとは、障壁(バリア)を除去(フリー)するという意味です。

この障壁は物理的なもの、心理的なもの、制度的、社会的…ありとあらゆるものを指しています。

この記事では、バリアフリー住宅に関する情報をまとめているので物理的な障壁を指す部分が多くなります。

住宅の中にあるバリア(障壁)ってなんだ?

賃貸戸建てで生活していた時の帰宅~夜寝るまでの動線を考えるとほとんどのバリアが洗い出せそうなので、今回は我が家の長女の生活動線に沿って考え付くバリアを上げてみたいと思います。

イメージしやすいように娘のことをザックリ説明すると、

  • 体型は3~4歳程度(実年齢は小学校低学年。)
  • 自力での移動は不可(家の中での移動は抱っこ。外での移動はバギー(子供用車イス)。)
  • 休むために寝っ転がれるスペースが必要(1日の大半をベッドの上で過ごす。)
  • 食事は胃ろうから注入(本当は座位でやりたいけど、現在は側臥位。)

こんな感じで、デカめの赤ちゃんって感じですかね。

それでは、それぞれのポイントで現在私が感じている良い点・悪い点をあげていきたいと思います!

駐車場

帰宅して駐車場に車を停めます。

車はコンパクトカー。娘は後部座席でチャイルドシートに乗っています。

スライドドアでは無いので、娘を下ろす時はドアを全開にして上半身を車内に突っ込んで娘を抱き上げます。(かなり腰にくるやつ)

  • 2台駐車しても幅に余裕がある
  • 奥行きもかなり余裕がある
  • 全面コンクリートなので、バギー(車イス)でも移動しやすい
  • 玄関と近い
  • 屋根が無いので、雨の日は濡れてしまう
  • できれば3台分駐車スペースがあれば、訪問看護とかが来た時も安心

玄関

玄関ドアを開けっ放しにして、ひとまず全ての荷物を玄関に置きます。

そして最後に娘を抱いて、玄関を閉め、リビングに娘を置きに行きます。

バリアフリーとは関係ないけど、玄関開けっ放しの間、前面道路から家の中が丸見えなのもちょっと気になるポイント。

  • 玄関土間もポーチも狭く、駐車場まで降りないとバギー(車イス)を開くことができない
  • バギー(車イス)のまま玄関まで入ることができない
  • とにかく段差が多い
  • 幅が狭く、大量の荷物を並べると通りにくい

リビング・ダイニング

リビングにはベビー布団が敷いてあって、娘は家にいる間はずっとそこでゴロンとしています。

今はダイニングテーブルを持っていなくて、こたつにもなる低いテーブルで食事をしています。

そのため娘の座位保持イスの高さが合わず、みんなで食卓を囲むことも無く、娘はずっと布団の上にいます。

そもそも部屋が狭すぎて、座位保持イスを置くスペースもない!

  • 12帖程のLDKですが、娘スペース作って、座位保持イスも置いて、医療機器も置いて…だと狭すぎる
  • 娘も成長してきてベビー布団だと窮屈そうだけど、部屋が狭いから今以上にスペースを広げてあげられない
  • 本当はダイニングテーブルと座位保持イスも置きたいけどスペース的に厳しい

脱衣所・お風呂

夕方になったらお風呂に入ります。

洗面・脱衣室は2帖ちょっとの広さですが、洗濯機、洗面台、可動棚もあるので人が動けるスペースは1帖程。

娘は、バウンサーの上におむつ一丁+バスタオル巻き巻き状態で待機してもらって、一緒に入浴しています。

  • 脱衣所が寒すぎて、待機している娘が冷たくなってしまう
  • ヒーターで温めても、廊下から冷気が入ってきて寒い
  • まだ抱っこで入れられる体のサイズだからいいけど、抱けなくなったらどうやってお風呂に入れればいいんだ…

廊下・階段

LDKとお風呂場の行き来や2階の寝室に行くための廊下や階段。

なんの変哲もない、至極普通な廊下と階段です(笑)

廊下の幅は1番広い部分で78cm、建具の1番狭い部分で75cm程でした。

階段の幅は、壁から手摺りの間で72cm程。

  • 身長約100cmの娘を横抱きして通るには、廊下も階段も少し狭い
  • 2階に寝室があるけど、娘を抱いての上り下りがキツすぎる

寝室

夜は2階の寝室で寝ます。

娘を抱っこして階段を上がります。その後、1階で使用していた医療機器を全て2階に移動させます。

  • 娘を抱いて階段の上り下りがキツすぎる
  • 段差を目視できないので、かなり危ない
  • 娘を抱けなくなった場合、どうやって2階に上がればいいのか
  • 医療機器を毎日移動させるのが、結構面倒くさい
  • 娘を2階に置いたままリビングに降りると、娘の変化に気付けない

賃貸戸建てに引っ越してから1年位は、ちゃんと2階に上がって寝る生活をしていました。

それ以降は、もう面倒くさすぎて毎晩リビングに布団を敷いて寝るようになってしまいました。

2階は洗濯物を干すタイミングでしか上がらなくなり、もったいないな~って感じでした。

住宅でのバリア(障壁)対策

半日の生活動線を考えただけでも、バリアが結構見つかりました。

もう間取りも決めちゃったけど、もう1回バリアフリーについて調べてみよ~

ということで、今回は主にインスタグラムで事例を探してみました!

バリアフリー住宅の事例

駐車場

駐車場については、こちらのゆいかママさんの投稿がとても参考になりました!

ゆいかママさんの投稿は、細かい寸法や具体的な使い方などもまとめられていて、参考にしたいポイントがとても多いです!

駐車場に限らず、玄関や脱衣所など…私が感じたバリアを解消してくれる投稿が他にもあるので、バリアフリー住宅を検討されている方は一度見ていただきたいです!!

玄関

玄関周りのバリアフリーについてヒントをもらえる神崎工務店さんの投稿です。

「家に入るのは玄関から」なんて固定概念は必要ないんですよね。

土地の形状や間取りに合わせて、掃き出し窓から出入りするのもありということです。

合わせて、玄関ドアも引き戸になっているので、動線が選択できるようになっているのもうらやましいポイントです!

階段

階段をバリアフリー化といえば、階段昇降機

階段昇降機についてまとめてくれているシンテックスさんの投稿です!

「昇降機って、こんなに選択肢あるんだ~」って驚きました。

実際に見る機会ってすごく少ないし、こうやって紹介してくれる投稿があると参考になりますよね。

階段昇降機を導入予定のおうちでは壁を下地補強しておくと更に安心◎

さい家で採用したバリアフリー&後悔ポイント

マイホームを建てるって決まる前は「ガチガチのバリアフリー住宅が欲しい!」なんて考えてて、結構調べたりしてたんです。

実際にマイホームの打ち合わせを始めてからは、バリアフリー住宅について調べることはなかったし、営業担当さんや設計さんからバリアフリーに関する提案もありませんでした。

その結果行き着いた中途半端バリアフリー住宅のポイントをご紹介します(笑)

バリアフリーポイント

駐車場を全面コンクリートにした

賃貸戸建てでも使いやすかった全面コンクリートの駐車場は採用!

コストダウンを考えて砂利を使うのも考えたけど、歩きにくい・散らばる・車の停め方を工夫できない等の点から非採用となりました。

1階完結型の間取りにした

娘や医療機器の上下移動が大変・娘が2階にいると状態が確認できないというポイントを解消するため、主寝室を1階にした1階完結型の間取りを採用!

本当は平屋を希望していたけど、予算や土地に広さ等の関係で2階建てになりました。

我が家は、寝室の扉を開放すればLDKと繋がるような配置にし、1階のどこにいても娘の状態を感じられる間取りにしました。

リビングのテレビ裏が寝室になるので音の問題なども懸念されましたが、娘の近くにいられることを最優先にして採用を決定しました。

掃き出し窓を大きくした

まだしばらくは抱っこで移動ができそうな気はしていますが、いつかは室内も車イスで移動するようになるかもしれない。

本当は玄関ドアを引き戸にしたいと考えていましたが、スペースと費用の問題で普通の開き戸を採用しました。

玄関ドアが車イスで出入りしにくいのであれば、リビングの掃き出し窓を大きくしておけば安心なのでは…(先程の神崎工務店さんの投稿のようなイメージ)

実際のサイズ等はおうちが完成してから、またまとめて投稿できたらいいなと思っています!

後悔ポイント

お風呂場を1620サイズ以上にすればよかった

我が家のお風呂は1616サイズを採用したのですが、これが本当に後悔ポイント!!!

入浴をサポートしてくれるアイテムって、いろいろあるんです。

リフトで吊り上げて、浴槽に入れてあげられる入浴リフトとか。

(画像引用元;株式会社ヤマシタ)

介護する方もされる方も、体への負担を少なく入浴できる洗身チェア(シャワーチェア)とか。

(画像引用元;アビリティーズ・ケアネット株式会社)

体幹パッドがしっかり付いたシャワーチェアとか、いろいろあるんです。

知っていたのに、なんで気が付かなかったんだ…。

お風呂の洗い場、広いに越したことはないだろ。

介護に限らず、複数人で入浴する場合、お風呂場に広さは1.25坪以上のサイズがおすすめみたいです。

1.25坪だと1620サイズ以上…ケチらず大きくしとけばよかったかも。

昔、祖母の家がお風呂のリフォームしてたけど、工期とか含めなかなか大変そうだったし。

駐車場から玄関の動線をちゃんと考えればよかった

「庭を最大限広くしたい」っていう夫の希望もあり、縦列タイプの駐車場を採用した我が家。

これを決めた時は「まぁ、なんとかなるだろう」と自分に言い聞かせてたけど、やっぱり気になっちゃう!

娘と荷物を車から降ろす時、何往復すればいいんだ…。

車と玄関遠すぎ~!娘重すぎ~!荷物多すぎ~!

もう無理~!!!!

って時が来たら、庭に駐車スペースを作るつもりらしいので、とりあえず今は心を落ち着かせようと思います。

さい家がバリアフリー住宅にしなかった理由

重症心身障害児を育てて、バリアフリー住宅にも興味を持っていたのに、なぜガチガチのバリアフリー住宅にしなかったのか…。

2つの理由をお話します。

リフォームに助成金等が受けられるものもある

障害者手帳を取得していると、一部の住宅改装費に対して支援してくれる制度があります。

市町村によって適応の範囲や基準額が異なりますので、事前に確認が必要です。

「◯◯市 障害者 リフォーム」等で検索できます。

段差の解消(スロープや昇降機)、扉を引き戸に変更するなどのリフォームにも対応してくれる街もあるようです。

先を見越して予め導入するのもありですが、必要になったタイミングで導入するのもありかもしれません。

娘の病気の予後や寿命に関する情報が少なすぎる

娘は、世界的にも症例数の少ない遺伝子疾患を患っています。国内の症例数もかなり少ないです。

そのため、娘がこれから先どうやって生きていけるのか、本当に情報が少ない状態です。

これからも体は成長しつづけるのか。

いつかは自力で動けるようになるのか。

娘は何歳まで生きていてくれるのか。

私達家族としては、1日でも長く一緒に暮らしていきたいし、多少お金をかけてでもバリアフリー住宅を建てるという選択肢もありました。

ただ、「家づくりに全振りして、生活の質を落とすことになるのはなんか違うな~」とも思ったり。

そして私達夫婦は、削れるところは削る家づくりをすることに決めました。

「在宅避難ができる家」というコンセプトのための設備など、多少お金のかかるところはありましたが…。

娘のためのバリアフリー設備に関しては必要になった時に必要なものを導入していく予定です。

さい夫
さい夫

トヨタ方式のジャストインタイム(Just In Time)ってやつだね

ビジネス用語を取り入れたがる夫の口癖(笑)

「マイホームは欲しい!でも、家族で楽しむために必要なお金は削りたくない!」

かなりワガママな決断です(笑)

まとめ

今回は、バリアフリー住宅についてまとめました。

  • 特別な配慮やケアが必要な人たちの生活スタイルは十人十色!その子に合った住環境にするためにも、生活内での障壁を書き出してみるのがいい
  • インスタでの情報収集は「#バリアフリー住宅 #福祉住環境 #重症心身障害児 #医療的ケア児」など、様々なキーワードで検索してみる
  • 将来的に導入したい機器やアイテムが決まっているなら、あらかじめスペースは確保しておいた方がいい
  • 必要になったタイミングで導入する方が負担減になるものもあるので要確認!(市町村によって適応範囲や基準額等も異なるので確認が必要です)

我が家は、バリアフリー住宅を最優先にはせずに家づくりを行いました。

正直、これが正解かは分かりません!

将来的に必要になりそうなスペースも確保してないし、生活しはじめたら後悔ポイントが更に出てくる可能性も全然あります。(というか、絶対出てくる)

「この部分は予めバリアフリー意識したほうがいいよ!」って部分が見つかったら、またまとめたいと思います!

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